締切と格闘中の豊田です。
いただいたご質問のご回答、
ブログに書いてしまいました。
終身保険の税金問題です。
予定利率が高い頃の終身保険や養老保険をもっている方はまだまだいらっしゃると思います。
もしも離婚などを機に契約者を変更したら何が起こるのかを整理します。
ここでは終身保険に限定して話を進めます。
<現在の契約>
契約者=夫
被保険者=妻
保険金受取人=夫
今のままで妻に万一のことがあったときは、
死亡保険金は夫が受取り、それは一時所得として所得税・住民税の対象となります。
今のままで解約をして解約返戻金を取り出した場合は、
その解約返戻金は契約者である夫のものですので、
妻が受取ると贈与となります(夫名義の口座に振り込まれます)。
実際には、贈与には年110万円の基礎控除があるため、
それを超えた分に贈与税がかかることになります。
離婚その他の理由で(亡くなったときは別です)、
夫が生きている状態で契約者を変更したらどうなるでしょう。
離婚であれば受取人も変更する可能性があるでしょうから、
次のように変えたとします。
<変更後の契約>
契約者=妻
被保険者=妻
保険金受取人=子
変更をしたから、これでOK!というわけではありません。
契約者として夫が保険料を支払った記録は残っていて、
死亡保険金を受け取ったときや解約返戻金を受け取ったときに、
影響が出ます。
わかりやすくするため、
現時点で、これまで保険料を払った割合が
夫:80%
妻:20%
だったとします。
過去に名義変更をしているのであればその分も含まれます。
妻に万一の時に、子どもが死亡保険金を受け取った場合にかかる税金は
80%⇒贈与税
20%⇒相続税
となります。うーーむですね。
一方、中途解約をして解約返戻金を今の契約者である妻が受け取った場合はというと、
80%⇒贈与税
20%⇒一時所得(所得税・住民税)
となります。
お宝保険でたくさんキャッシュバリューがあるものほど、
贈与税がかってしまうことになります。
保険においても「契約者=夫」の呪縛から
逃れられないのです。
ちなみに、
「バレないはず」と思う人もいるかもしれませんが、
保険金でも満期金でも、解約返戻金でも
100万円を超える支払いは、
多くの場合、保険会社から支払調書が発行されます。