教育資金の準備法」カテゴリーアーカイブ

子どもの教育費など将来へ備えてお金を準備しておきましょう

学資保険の満期は進路に合わせて選ぼう

進路に合わせて満期を選ぼう

学資保険は、17歳、18歳、20歳など満期学資金の受取時期を選ぶことができます。また、満期を迎える前に一時金として学資金を受け取れるタイプの商品もあります。今回は、満期はどう設定すればいいのか、解説します。

18歳満期は、満期学資金の受取時期に注意!

18歳満期は高校卒業後の大学等の進学で必要になる学費を準備するのに向いています。ただし、満期学資金を受け取る時期に注意が必要です。満期学資金を受け取れるのは「18歳の誕生日直後の契約応当日」だからです。

例えば、5月生まれで6月に契約した場合は高校3年の6月に受け取れますが、10月生まれで12月に契約した場合は高校卒業間近の12月に満期学資金を受け取ることになります。

推薦入試で入学金などの納入が早くなったり、満期学資金を受験資金に充てる可能性を考えると、できるだけ高校卒業前の10月くらいまでに受け取りたいもの。18歳満期を利用する際は満期学資金がいつ受け取れるのかを確認しておきましょう。

早生まれで大学資金を準備したいなら17歳満期

続いて17歳満期。18歳満期同様、高校卒業後の大学や専門学校の学資金を準備するのに向いています。ただし、前述のとおり、18歳満期は誕生月や契約応当日となりますから、3月生まれで6月に契約した場合は、高校卒業後の6月に満期学資金を受け取ることになります。契約のタイミングによっては、入学金の納入時期に間に合わないこともあります。18歳満期が厳しい場合は、17歳満期を利用しましょう。

17歳満期の場合、17歳の誕生日を迎えて最初の契約応当日に支払われるため、受取時期の問題は解決します。ベビーが早生まれの場合、受け取る時期が早い17歳満期を利用するとよいでしょう。

20歳満期は短大や大学の資金に

20歳満期は、18歳のときに進学学資金を受け取り、20歳のときに満期学資金が受け取れます(12歳、15歳のときに進学学資金が受け取れるタイプもあります)。

そのため、大学等の入学の際の準備資金とできるほか、短大であれば満期学資金は社会人となる際の準備金とすることもできます。あるいは、進学したのが大学であるなら、3、4年時の学資金に充てることもできます。

22歳満期は大学院進学にも活用できる

最後に22歳満期ですが、大学4年間に毎年、学資金が受け取れるものと、大学等進学時に進学学資金を受け取り、22歳時に満期学資金が受け取れるものがあります。満期学資金は、社会人準備資金としても利用できるほか、大学院進学の資金として活用することもできます。

誕生したばかりのベビーの進路はまだわかりませんが、とりあえずはママ・パパが想定をした上で準備したいものですね。漠然と「大学まで行かせたい」という場合には、17歳満期か18歳満期にしておくのもいいでしょう。

FPが伝授!学資保険選び方のポイント

より魅力のある返戻率にこだわりたい!どんな商品・プランを選べばいい?

学資保険にはたくさんの商品やプランがあって迷ってしまいますね。今回は、返戻率を重視する場合の保険選びのポイントをご紹介します。

返戻率をチェック!

学資保険を選ぶ際の重要なポイントが「返戻率」です。「返戻率」とはどのようなものか、まずは正しく理解しておきましょう。
学資保険は、将来の教育資金を準備することを主な目的として加入する保険です。将来、「進学学資金」や「満期学資金」が支払われます。
学資保険の「返戻率」は、

<「受取学資金の総額」÷「払込保険料総額」×100>

で算出します。払い込んだ保険料総額に対して受取学資金の総額はどれくらいになるかを把握することができます。
返戻率が100%を下回る場合は、いわゆる「元本割れ」です。教育資金の準備には向かないので、注意しましょう。

返戻率はココで変わる!ポイント① 払込方法

学資保険の返戻率を重視する場合、保険料の払込方法をよく考えて選びましょう。

例えば、18年ずっと払い続ける商品と、10歳までで払い込みを終える商品があったとして、払い込む保険料の総額が同じだったとします。この場合の返戻率が高くなるのはどちらだと思いますか?

答えは10歳までに払い込みを終えるほうです。短期で払い込むほど、運用される期間が長くなるためです。

ただし、毎月の保険料の負担は重くなりますので、払い続けられるかどうかをしっかり見極めて満期額などを決めましょう。

返戻率はココで変わる!ポイント② 学資金の受け取り方

返戻率にこだわる場合のもう一つの大事なポイントは、学資金の受け取り方です。例えば、18歳満期の商品で、受取学資金の総額は同じであっても、12歳、15歳の時点で進学学資金を受け取る場合と、途中の進学学資金がいっさいなくて満期学資金だけを受け取る場合では、どちらの返戻率が高いと思いますか?

答えは後者です。途中で進学学資金が出てしまうと、運用できる期間はその時点までなので、進学学資金が支払われずに満期学資金だけのほうが返戻率は高くなります。

また、18歳満期で満期時に学資金を一括で受け取る場合より、大学在学中に毎年と満期時に分けて受け取る場合のほうが、運用期間が長い分、受取学資金の総額は幾分か増加することがあります。

もちろん、必要な時期に間に合わなくてはいけませんが、ゆとりがあって少しでも運用期間を長くしたい場合は、受け取る時期を後ろにするのも一つの方法です。

そのほかにも方法が!?

このほか、保険料はまとめて払うほど払込保険料総額を抑えることができます。そのため、「月払」よりも「半年払」や「年払」にする、資金があるときは「一部前納」をする、といった方法もあります。

こちらもチェック!
<ちょっと裏ワザ>年払、一部前納などで貯蓄性を重視

いくつかの方法を重ねることで、さらに払込保険料総額を抑えることができ、学資保険の返戻率がやや高くなります。

いろいろな商品やプランを試算・比較して、納得の商品、納得のプランを見つけてくださいね!

学資保険契約時の裏技

年払、一部前納などで貯蓄性を重視

学資保険は、教育資金を準備するものですから貯蓄性をより重視したいですよね。今回は、学資保険への加入の際にチェックしたいポイントをご紹介します。

学資保険により貯蓄性重視で加入する方法

加入する学資保険を絞り込んだら、次に気になるのは、より貯蓄性を重視した方法がないかですね。この段階で検討したいものとして2点あります。

1)契約者はパパにする? ママにする?
2)保険料の払込方法はどうする?

同程度の年齢であれば、契約者をママにした方が保険料がやや割安になることが多く、貯蓄性が上がる場合があります。ただし、注意点もありますので、学資保険Q&A第6回「ママが契約者になった方が良い?」を参照してください。

保険料は月払よりも年払に!

では、保険料の払込方法について見ていきましょう。

保険料は、まとめて払うほど払込保険料総額が割安となります。まず、保険料の払込方法を、月払ではなく「半年払」や「年払」にすると、払込保険料総額が減り、学資保険の返戻率はやや高くなります。

例えば、下記の条件の契約で、払込保険料の総額は下のように違ってきます。

<ご契約例>
契約者30歳男性、子ども0歳、学資保険(無配当)Ⅲ型、保険期間:22歳満期、保険料払込期間:18歳まで、受取学資金総額:200万円、基準学資金額:40万円

保険料払込方法 月払 半年払 年払
保険料 8,392円 50,184円 99,948円
払込保険料総額 1,812,672円 1,806,624円 1,799,064円
受取学資金総額 2,000,000円
返戻率※ 110.3% 110.7% 111.1%

※記載内容は2016年7月時点の情報に基づくものになります。情報は作成当時のもので、現在とは異なる場合があります。

資金があるときに「一部前納」する

もう1つ、保険料の払込方法で、学資保険の貯蓄性を重視した方法があります。それが「一部前納」といわれる支払い方です。

例えば教育資金に回しても大丈夫な余裕資金ができたとき、この一部前納が利用できます。言ってしまえば、保険料を前払いする仕組みで、この場合に前納割引率が適用されます。

ただし、無理は禁物です!

保険料は一括払いをすると割安になりますが、ただし、例えば半年払や年払をするには、しっかり保険料を貯めておく必要があります。ちょっと貯まったお金があるからと中長期の支出を考えずに前納してしまい、後で困るような事態になるのも問題です。

もし、計画的な貯蓄や支出コントロールに自信がない場合は、貯蓄性をあきらめても月払にした方がいい場合もありますので、よく考えてみましょう。年払の保険料を支払うのに、家計が赤字になるのでは意味がありません。

あまり自信がない場合は、月払から始めるのが無難です。1年払って大丈夫そうなら、契約応当日(契約をしたのと同じ月日)に半年払や年払に途中から切り替えることも可能ですので、無理は禁物です!

 

学資保険を解約したらどうなる?

学資保険の契約後、途中でお金が必要になったら?

子どもの教育資金として加入した学資保険。訳あってお金が必要になる事態に陥ることもあると思います。今回は、そんなときの対処法について考えてみたいと思います。

学資保険契約後、お金が必要な事態が起きてしまったら?

お子様の教育資金を準備するために、学資保険への加入を検討されているのですね。しかし、変わらずずっと保険料を負担できる家計でいられるか、あるいは何らかの理由でどうしてもお金が必要になったときに学資保険でお金を用立てることができるかなど、心配されているのですね。

確かに、人生何があるかわかりません。家族が病気になったり、一家の大黒柱が失業したり、親が倒れて介護が必要になり夫婦の一方が仕事を辞めるなど、収入と支出のバランスが崩れる事態がいつ起きるかは、誰にもわかりません。

学資保険は契約後、15年、20年等と長い期間のお付き合いになるわけですから、「もしも」の時に学資保険を活用してお金を用立てることができるのかどうかなど、気になりますね。そんな事態になったときには、3つの方法があります。

まずは「契約者貸付」を検討しよう

学資保険の場合、どうしてもお金が必要になり、それが一時的なものであるときは、「契約者貸付」を利用できることがあります。

契約者貸付とは、解約返戻金の一定割合の範囲でお金を借りることができる制度です。保険契約が担保のため、比較的簡単な手続きで借りることができます。貸付利率は加入時期によって異なりますが、平成25年4月2日以降は年2.5%となっています。完済した日までの日割で利息が付きます。

一時的な資金不足の場合に向く方法で、逆に資金不足が長期化しそうな場合には向きません。

保険料が未納になったらどうなる?

保険料の払い込みが困難になり、未納になることもあるかもしれません。解約返戻金がある学資保険の場合は、保険料が払い込まれない場合、「自動振替貸付制度」によって、解約返戻金の範囲で保険料が貸付けられ、保障が続く場合もあります。

ただし、貸付には契約者貸付と同じく利息がつきます。そのため、家計が落ち着いて保険料が払い込めるようになったときには、貸付分とその利息についても払い込む必要があります。

また、貸付分とその利息の合計額が一定額を超えた場合、学資保険は失効することがあります。失効すると保険の効力はなくなってしまうので注意しましょう。

解約したらどうなる?

どうしても資金が必要で、しかも長期化しそうな場合には、最後の手段として学資保険を解約する方法もあります。

ただし、解約をすると、その時点の解約返戻金(契約者貸付や自動振替貸付制度を利用していた場合は貸付分と利息分を差し引いた残り)が受け取れますが、保険契約はなくなってしまいます。

ちなみに、保険会社によって異なりますが、10年以内等の解約では、解約控除費用が発生することがあります。この費用は、契約からの年数が短いほど大きいため、十分注意が必要です。解約はできるなら避けたい最後の手段です。

確実に続けられる保険料で始める!

目先の家計の問題を解消するために学資保険を活用することもできますが、そもそもなぜ学資保険に加入するのかを忘れてはいけません。

将来、子どもが自由に進路を選択できるよう、教育資金のベースとして学資保険を確保しておくことはとても大事なことです。

そのため、これから加入される場合には、確実に続けられる保険料で始めることが大事です。また、家計が厳しいときでも、できるだけ学資保険の解約などは避け、「使い込み」をしないようにしたいもの。

「いつか準備する」と思っていてもなかなか準備できないのが教育資金。細く長く確実に準備することはとても大事です。

学資保険を検討する際には生命保険の見直しも!

パパ・ママの死亡保障もチェック!

お子さんが生まれて学資保険とともに保険の検討や保障の見直しをされるお家も多いですよね。今回は学資保険を検討する際、あわせてチェックしたい死亡保障について考えていきましょう。

学資保険は契約者である親の死亡保障でもある

学資保険は、進学時の学資金や満期時の学資金によって子どもの学費を準備することができる保険ですが、実はもう1つ、契約者である親にもしものこと(亡くなる、高度障害状態になるなど)があったときには、以後の保険料が免除になるという特徴があります。保険料が免除になって、進学学資金や満期学資金は契約通り支払われます。

学資保険が保険であり、自動積立定期など他の積立との違いはこうした部分にあります。そのため、学資保険は契約者である親の保障の一部と捉えられています。

学資保険に加入する際にパパの死亡保障をチェック!

学資保険は契約者である親の死亡保障の一部と書きましたが、そのため、もしもパパが契約者になる際には、パパの死亡保障がどうなっているのかも確認する必要があります(パパの必要保障額は人によって異なりますので、実際にどれくらいあればいいかは、信頼できるコンサルタントに相談してくださいね!)。

学資保険の死亡保障を加えてちょうどいい死亡保障となるのが理想です。もしもパパの死亡保障が十ニ分に用意されている場合は、学資保険の契約者をママにして、ママの死亡保障にするのも1つの方法です。

ママの死亡保障もチェック!

ママには何も死亡保障がない場合や、保険に入ってはいても死亡保障額が小さい場合には、ママを契約者にして学資保険に入るのも1つの方法です。そうなれば、ママの死亡保障を補うことができて、また教育資金の準備も兼ねることができるため、一石二鳥と言えそうですね。

ただし、ママを契約者にして加入して、パパにもしものことがあったときには、学資保険の保険料の払込みは残ります。そのときには、パパの死亡保険金で学資保険の保険料をまとめて払うなど、あらかじめ決めておくといいですね。

なお、ママを契約者にして加入する方法もあります。

迷ったときは契約者を一家の大黒柱に

いろいろ考えてはみたものの、パパの死亡保障もママの死亡保障も十分あって、どうしたらいいか迷ったときには、原点に戻りましょう。学資保険の契約者は「一家の大黒柱」にしておくと安心です。

また、学資保険の死亡保障を加える前から保障オーバーだったケースなどでは、保障を減額するのも手です。よくわからない場合は、ファイナンシャルプランナーにご相談ください!

学資保険契約者はパパ?ママ?

ママが契約者になった方が良い場合も

教育資金の準備方法として学資保険に加入する場合、一家の大黒柱であるパパが契約者となることが多いようですが、ママが契約者になる場合はどうなのか?早速みていきましょう。

ママが契約者になることもできます

学資保険の契約者はパパだけでなく、ママがなることもできます。これからご説明していきますが、注意点はあるものの、ママが契約者になることがメリットにつながる場合もあります。

ただし、「契約者になる」ということは保険料も負担しなければなりません。そのため、収入があるワーキングママか、収入がなくても貯蓄があることが、必要といえます。パパから年110万円以下の贈与を受けて(110万円以下なら非課税)、ママが保険料を払い込むという方法もあります。

ママが契約者になると保険料が割安になる場合も!

パパではなくママを学資保険の契約者にする最大のメリットは、パパとママが同じ年齢であれば、ママが契約者になった方が保険料が割安になるケースが多いこと。つまり、ママが契約者になった方が貯蓄性が上がる場合があるのです。

学資保険には契約者が万が一亡くなったときには保険料の払い込みが免除になる保障がついているのですが、女性の方が統計的に長生きのため、保障の分が割安となるためです。ママがパパより2,3歳年上でも割安の場合もあります。

いずれにしても、きちんと試算して検討しましょう。

ママに死亡保障がない場合も検討を

ご家庭によっては、パパはしっかり保険に入っていても、ママの保険が手薄になっている場合があります。特に、万が一ママが亡くなったときのリスクに十分に備えられていないケースをよく見ます。

学資保険の契約者をママにすることで、ママの保障の一部とすることもできます。パパが契約者になるより保険料も割安となるなら、一石二鳥ですね。

注意点はパパに万が一のときに払込免除にならない

ただし、注意点が1つあります。ママが契約者になって学資保険に入った場合は、当然ながら、パパに万が一のときに学資保険の払込は免除されません。その後の保険料負担が残ることになります。

これに備えるには、パパに万が一のときに、パパの死亡保障が十分であれば良いのですが、そうでない場合は、「こんなはずではなかった」ということになっています。家族の保障をきちんと整理したうえで、学資保険の契約者を考えてくださいね!

学資保険契約はいつがベスト?

学資保険、子どもが産まれる前から入れるってホント?

学資保険は子どもが誕生後に加入するもの、と思っているかたが多いようですが、商品によっては経過が順調であれば妊娠中から入れるものもあります。

今回は、妊娠中に学資保険に加入すること、そのメリットを考えていきましょう。

誕生前から加入できる学資保険も!

学資保険は、教育資金の積立を目的として加入する貯蓄型の保険です。

学資保険を検討するのは、子どもが誕生してからだと思っているママ・パパが多いですが、実は妊娠中から加入できる商品もあります。

条件はあるものの、商品によっては、出産予定日の140日前から加入することができるものがあります。出産140日前というとおおよそ妊娠6カ月を過ぎたところ。お腹も大きくなって、赤ちゃんの誕生が待ち遠しく感じられる時期ですね。

誕生前加入で妊娠中から安心度アップ

誕生前に学資保険に加入するメリットは2点挙げられます。

まず1つは、妊娠中から契約者のもしもに備えることができること。

学資保険の特徴として、契約者である親等が万一、死亡したり所定の高度障害状態になった時に、以後の保険料が免除され、学資金や満期学資金は予定通り受け取れる、という特徴があります。

そのため、妊娠中に加入することで、契約者のもしもに妊娠中から備えることができるので、安心度がアップします。

妊娠中で時間があるうちに加入を済ませておける

2つ目のメリットは、誕生前の比較的時間があって落ち着いている間に、学資保険の契約を済ませておける点です。

子どもが生まれると、さっそく育児に追われ、睡眠不足になるなど大変な時期に突入します。

その後も、ベビー中心の忙しい日々となり、中には「学資保険のことを考える余裕がなかった」というママ・パパもいます。
怒涛の育児ライフに突入する前に、学資保険の契約を終えておくメリットは大きいと言えます。

また、同じく誕生前に保障の見直しを行っておくことも大事です。早く加入する分、保険料の負担が軽くなります。

学資保険に加入する予定であるなら、妊娠中の加入はメリットが大きそうですね!

学資保険契約前にチェックしておきたいポイントは?

加入前に必ずチェックしておきたいポイントは?

いわゆる「元本割れ」になっていませんか?

試算した商品をじっくり見てみましょう。払込保険料の総額と、学資金や満期学資金として受け取れる分の合計額を比較してみましょう。

払込保険料の総額よりも受け取れる総額の方が少ない、いわゆる「元本割れ」の状態になっていないでしょうか。

教育資金を準備するための保険ですので、ちゃんと貯蓄性があるのかも確認しましょう。

入学金等の納入時期に間に合いますか?

17歳満期であれば問題はありませんが、18歳満期の場合、満期学資金の受け取り時期などを確認しましょう。

一般受験であれば、入学金や学費の納入は2~3月になりますが、推薦入試などの場合、早ければ10月頃から入学金や学費の納入を求める大学もあります。心配な場合は、17歳満期にしておくといいでしょう。

契約者はパパとママ、どっち?

学資保険は、万が一契約者が亡くなった時には、以後の保険料の払込が免除されます。払込免除された保険料相当額は、遺産を取り崩す必要がなくなりますから、生計の中心となる大黒柱が契約者になるのが多いようです。

保険料から考えた場合、同じくらいの年齢であれば女性の方が保険料が割安な場合が多いため、ママが契約者になるのも手です(試算して比べましょう)。

その場合、パパに万が一のことがあった時に以降の保険料の払込は免除されませんので、前提としてパパの死亡保障が十分な場合に限ります。

子どもの医療保障は?

子どもの医療保障がつけられるタイプの学資保険もありますが、自治体の医療費助成制度が充実していれば不要な場合もあります。

医療特約を付けるとそのコストがかかる分、貯蓄性は下がってしまいます。中には、払込保険料の累計額に対し、受け取る学資金の総額が下回る場合もあります。子どもの医療保障を付けるかどうかは、そうした点も理解した上で判断しましょう。

子どもの医療保障を付けた方がいいケースを整理すると、次のような場合が挙げられます。
・住んでいる自治体の乳幼児・子どもを対象とした「医療費助成制度」の内容が十分でない
・先天的な病気などのリスクに備え、子どもの医療保障をつけておきたい
・近くに大きな病院がないなど、子どもが入院した時のリスクが高い

子どもの医療保障が必要な場合は、単体の医療保険を検討してみては? 学資保険の満期と関係なく保障が継続されます。

保険料の払い方は?無理はない?

保険料は半年払や年払にすれば、年間払込保険料が少なくなるので、保険料の払方をどうするか検討してみましょう。

ただし!保険料はずっと払い続けることができる金額にしなければ意味がありません。家を買ったり、2人目、3人目の子が生まれたとしても払い続けられるか考えましょう。

 

保険料の払い方は変更可能ですが、そもそも無理のない保険料に設定することが大事ですね。

保障重視と貯蓄性重視、どちらがいい?

同じ学資保険といっても大きく分けて「保障重視」と「貯蓄性重視」の商品があります。その違いや選択の際の基準は何なのか? さっそくみていきましょう。

学資保険には「保障重視」と「貯蓄性重視」がある

そもそも学資保険とは、入学時などに受け取る「祝金」と、満期時に受け取る「満期保険金」とが教育資金のベースになる貯蓄の機能を備えた保険です。将来、子どもの教育資金が負担になる時期に教育資金を準備することができる保険です。

この学資保険、大きく分けると「保障重視」と「貯蓄性重視」の2つの種類があることをご存知でしょうか? 商品を選ぶ際には、まずはそこから整理しましょう。

「保障重視」のメリットと注意点

まず、保障を重視する学資保険について考えてみましょう。

学資保険は一般に、契約者となった親が亡くなったときには以後の保険料の払い込みが免除され、以後の祝い金や満期金が予定通り受け取れる保障がついています。中には例外的についていないものもありますが、多くの商品はついています。

保障を重視する学資保険は、契約者である親が亡くなったときに、以後の保険料の払い込みが免除されるだけでなく、一時金や年金が受け取れるものをいいます。あるいは、子どもが入院したり手術を受けたりしたときの医療保障の特約がついている商品もあります。つまり、貯蓄性以外の保障に重点を置いた学資保険です。

保障がたくさんついているのはよさそうに思いますが、注意点として、その分コストがかかっていることもお忘れなく!

「貯蓄性重視」のメリットと注意点

続いて貯蓄性を重視する学資保険についてですが、文字どおり貯蓄性を重視しています。保障を重視する学資保険と違って、追加的な保障がない代わりに、その分のコストがかからないため、貯蓄性を追求できます。そもそも子どもの学費に備える貯蓄のため、できるだけ有効な手段を選ぶほうが賢い選択ですよね?

貯蓄性重視の商品の注意点としては、商品によって貯蓄性が異なる点です。そもそも本当に貯蓄性を有しているかどうかのチェックも必要ですが、満期まで保険料を払い込み続けるといったいどれくらいプラスになるのか、加入前に必ず電卓を叩いて確かめたいもの。

できれば2、3社の商品をインターネットなどで試算して選びましょう。貯蓄性にこだわるなら、ひと手間を惜しまず、しっかり選択したいものですね!

こんな人はこう選ぼう!

さて、あなたはどちらを選ぶべきでしょうか。その答えは、学資保険に何を求めるかによって違ってきます。

契約者となっている親の保険の保障内容を補いたいという場合は、コストがかかっても保障を重視する学資保険を選ぶ意味はあります。

また、子どもの医療保障をどうしても学資保険でカバーしたい場合は、特約を付けて契約をする選択もあります。その場合は、コストがかかることは覚悟しなければなりません。自治体の医療費助成制度が充実していれば、一定年齢までは医療費が無料の自治体も多く(住んでいる自治体でご確認ください)、医療保障そのものが必要かどうかよく検討する必要もあります。

一方、「最も重要なのは子どもの教育資金の準備」という人は、貯蓄性を重視すべきです。

以上のような点に気をつけながら、自分に合った学資保険を選んでくださいね!

そもそも学資保険とは?

学資保険のメリット・デメリットって?

将来の教育資金の準備として学資保険を検討されるお家は多いですよね。

まずは教育資金を学資保険で準備することのメリットとデメリットについてご紹介します。

確実に教育資金のベースが作れる!

学資保険の最大のメリットと言えるのが、保険料を払い込み続けることで、教育資金のベースを確実に作ることができる点です。

特に、貯蓄が得意でなく教育資金を計画的に準備する自信がない人や、手元にあると使う方に頭がいってしまいがちな人にとっては、重要な点です。学資保険は「教育資金専用」として他の資金と区分して準備できる上、保険料の払込だとサボれないプレッシャーがあり、準備方法としてとても有効です。

預貯金と違って使い込みしにくい

教育資金の準備は長期にわたるため、家計が厳しい時期や住宅取得のタイミング、あるいは車の買換えなどで他の予算に回したくなる時もあります。

一時的に教育資金から「拝借」して、後で補てんしようと思っても、実際にはなかなか挽回するのは大変です。

学資保険の場合、保障はそのままに解約返戻金の中から決まった範囲内でお金を借りることができる「契約者貸付」の方法もありますが、気持ちの上でのハードルが高く、「使い込み」しにくい点もメリットと言えるでしょう。

預貯金よりも金利が有利

現時点で比較した場合、史上最低金利と言われる預貯金よりも学資保険の方が有利です。

ただし、学資保険は契約者や子どもの年齢、性別、満期で保険料も異なり、実際に支払われる学資金がどれくらいになるのかはご家庭で異なりますので、きちんと試算をして比較しましょう。

契約者であるパパ・ママにもしもの時は保険料の払込が免除

さらに、学資保険は通常、契約者となったパパ・ママが万一亡くなったり高度障害になったときに、保険料の払込が免除になります。その後の保険金は予定通り支払われるため、遺族に保険料の負担なく教育資金を残すことができます。

妊娠中に契約できる商品もあります

学資保険の中には、経過が順調であれば妊娠中に加入できる商品もあり、具体的には、出産予定の140日前から加入できます。もしも契約者となったパパ・ママが万が一、亡くなったり高度障害になったときには、誕生前でも教育資金を残すことができます。

学資保険のデメリットとしては、保険会社が破綻した場合、預けた金額が減額されてしまう可能性があります。

一方で、急な進路の変更などにも対応できるよう、またインフレリスクにも対応できるよう、学資保険と貯蓄、また投資を組み合わせるなど、教育資金を分散して備えておくのも1つの方法です。

預貯金と学資保険の違いは?

学資保険で教育資金を準備することと、預貯金などではどう違うのでしょうか。いくつかのポイントで考えてみましょう。

保険なので万一の際の保障がある

教育資金準備に活用できる学資保険ですが、預貯金と異なる点としてまず挙げられるのは保険だという点です。契約者となったパパやママ等が万一、亡くなったり所定の高度障害状態になった場合は、保険料が免除され、その後の保険金は契約通り支払われるしくみになっています(例外商品もあります)。これは、契約者に万一のときでも教育資金を残そうということで作られた商品だからです。

ちなみに、経過が順調であれば出産前から加入できる学資保険もあります。契約者にもしものときには、誕生前でも教育資金を残すことができます。

教育資金を「隔離」できる

銀行の積立定期などでも教育資金の準備はできますが、実際に必要になる時期はだいぶ先のため、家計が赤字のときや家を買う時期など、つい手をつけたくなることもあります。「あとで戻すからいいや」と思っても、実はリカバーするのは非常に大変。ぐっと我慢して手をつけないことが、ポイントです。

学資保険の場合は、「契約者貸付」という方法もありますが、預貯金に比べて心理的なハードルが高いため、使いこみがしにくいメリットがあります。

進路イメージに合わせて設計できる

預貯金で準備する場合は、お金が必要になったタイミングで都度使うため、自分で引き出すタイミングやお金の管理をすることになります。

一方、学資保険は進路イメージに合わせて設計でき、何のための資金かを意識しながら準備できます。大学資金として18歳で受け取りたい、中学や高校入学時にも受け取りたい、大学入学時だけでなく大学院入学時にも受け取りたい、などの希望により進路に合わせてプランを組み合わせることもできます。

ジュニアN I SAとは

2 016 年4月からいよいよ運用開始のジュニアNISAとは「未少年者少額投資非課税制度」のことで、子どもや孫の将来の資産運用のために作られたもの。子ども名義でパパママやおじいちゃんおばあちゃん、第3者からの資金を、年間80万円まで非課税で株式・投資信託で運用できます(通常であれば益や配当金にかかる税率は20%)。

非課税期間は投資した年から最長5年間。ただし払い出し制限があり、災害などやむを得ない事情を除いて18才までに払い出しをするとNISA 口座は廃止に。また元本割れのリスクがあるので、学資保険等を教育資金の柱にし、余裕の資金でジュニアNISAを始めるのが◎。

メリット

  • 非課税で運用できる
  • 相続税など将来的な税対策にも

デメリット

  • 元本割れのリスクがある
  • 18才までは原則払い出し不可能
  • 18才までに引き出すと過去の分が課税される

ポイント

非課税で引き出せるのは高3の1月1日からで、推薦入試などだと11月頃の学費支払いもあるので間に合いません。もっと早く利用できる商品と組み合わせて。