学資保険を解約したらどうなる?

学資保険の契約後、途中でお金が必要になったら?

子どもの教育資金として加入した学資保険。訳あってお金が必要になる事態に陥ることもあると思います。今回は、そんなときの対処法について考えてみたいと思います。

学資保険契約後、お金が必要な事態が起きてしまったら?

お子様の教育資金を準備するために、学資保険への加入を検討されているのですね。しかし、変わらずずっと保険料を負担できる家計でいられるか、あるいは何らかの理由でどうしてもお金が必要になったときに学資保険でお金を用立てることができるかなど、心配されているのですね。

確かに、人生何があるかわかりません。家族が病気になったり、一家の大黒柱が失業したり、親が倒れて介護が必要になり夫婦の一方が仕事を辞めるなど、収入と支出のバランスが崩れる事態がいつ起きるかは、誰にもわかりません。

学資保険は契約後、15年、20年等と長い期間のお付き合いになるわけですから、「もしも」の時に学資保険を活用してお金を用立てることができるのかどうかなど、気になりますね。そんな事態になったときには、3つの方法があります。

まずは「契約者貸付」を検討しよう

学資保険の場合、どうしてもお金が必要になり、それが一時的なものであるときは、「契約者貸付」を利用できることがあります。

契約者貸付とは、解約返戻金の一定割合の範囲でお金を借りることができる制度です。保険契約が担保のため、比較的簡単な手続きで借りることができます。貸付利率は加入時期によって異なりますが、平成25年4月2日以降は年2.5%となっています。完済した日までの日割で利息が付きます。

一時的な資金不足の場合に向く方法で、逆に資金不足が長期化しそうな場合には向きません。

保険料が未納になったらどうなる?

保険料の払い込みが困難になり、未納になることもあるかもしれません。解約返戻金がある学資保険の場合は、保険料が払い込まれない場合、「自動振替貸付制度」によって、解約返戻金の範囲で保険料が貸付けられ、保障が続く場合もあります。

ただし、貸付には契約者貸付と同じく利息がつきます。そのため、家計が落ち着いて保険料が払い込めるようになったときには、貸付分とその利息についても払い込む必要があります。

また、貸付分とその利息の合計額が一定額を超えた場合、学資保険は失効することがあります。失効すると保険の効力はなくなってしまうので注意しましょう。

解約したらどうなる?

どうしても資金が必要で、しかも長期化しそうな場合には、最後の手段として学資保険を解約する方法もあります。

ただし、解約をすると、その時点の解約返戻金(契約者貸付や自動振替貸付制度を利用していた場合は貸付分と利息分を差し引いた残り)が受け取れますが、保険契約はなくなってしまいます。

ちなみに、保険会社によって異なりますが、10年以内等の解約では、解約控除費用が発生することがあります。この費用は、契約からの年数が短いほど大きいため、十分注意が必要です。解約はできるなら避けたい最後の手段です。

確実に続けられる保険料で始める!

目先の家計の問題を解消するために学資保険を活用することもできますが、そもそもなぜ学資保険に加入するのかを忘れてはいけません。

将来、子どもが自由に進路を選択できるよう、教育資金のベースとして学資保険を確保しておくことはとても大事なことです。

そのため、これから加入される場合には、確実に続けられる保険料で始めることが大事です。また、家計が厳しいときでも、できるだけ学資保険の解約などは避け、「使い込み」をしないようにしたいもの。

「いつか準備する」と思っていてもなかなか準備できないのが教育資金。細く長く確実に準備することはとても大事です。