選び方」タグアーカイブ

FPが伝授!学資保険選び方のポイント

より魅力のある返戻率にこだわりたい!どんな商品・プランを選べばいい?

学資保険にはたくさんの商品やプランがあって迷ってしまいますね。今回は、返戻率を重視する場合の保険選びのポイントをご紹介します。

返戻率をチェック!

学資保険を選ぶ際の重要なポイントが「返戻率」です。「返戻率」とはどのようなものか、まずは正しく理解しておきましょう。
学資保険は、将来の教育資金を準備することを主な目的として加入する保険です。将来、「進学学資金」や「満期学資金」が支払われます。
学資保険の「返戻率」は、

<「受取学資金の総額」÷「払込保険料総額」×100>

で算出します。払い込んだ保険料総額に対して受取学資金の総額はどれくらいになるかを把握することができます。
返戻率が100%を下回る場合は、いわゆる「元本割れ」です。教育資金の準備には向かないので、注意しましょう。

返戻率はココで変わる!ポイント① 払込方法

学資保険の返戻率を重視する場合、保険料の払込方法をよく考えて選びましょう。

例えば、18年ずっと払い続ける商品と、10歳までで払い込みを終える商品があったとして、払い込む保険料の総額が同じだったとします。この場合の返戻率が高くなるのはどちらだと思いますか?

答えは10歳までに払い込みを終えるほうです。短期で払い込むほど、運用される期間が長くなるためです。

ただし、毎月の保険料の負担は重くなりますので、払い続けられるかどうかをしっかり見極めて満期額などを決めましょう。

返戻率はココで変わる!ポイント② 学資金の受け取り方

返戻率にこだわる場合のもう一つの大事なポイントは、学資金の受け取り方です。例えば、18歳満期の商品で、受取学資金の総額は同じであっても、12歳、15歳の時点で進学学資金を受け取る場合と、途中の進学学資金がいっさいなくて満期学資金だけを受け取る場合では、どちらの返戻率が高いと思いますか?

答えは後者です。途中で進学学資金が出てしまうと、運用できる期間はその時点までなので、進学学資金が支払われずに満期学資金だけのほうが返戻率は高くなります。

また、18歳満期で満期時に学資金を一括で受け取る場合より、大学在学中に毎年と満期時に分けて受け取る場合のほうが、運用期間が長い分、受取学資金の総額は幾分か増加することがあります。

もちろん、必要な時期に間に合わなくてはいけませんが、ゆとりがあって少しでも運用期間を長くしたい場合は、受け取る時期を後ろにするのも一つの方法です。

そのほかにも方法が!?

このほか、保険料はまとめて払うほど払込保険料総額を抑えることができます。そのため、「月払」よりも「半年払」や「年払」にする、資金があるときは「一部前納」をする、といった方法もあります。

こちらもチェック!
<ちょっと裏ワザ>年払、一部前納などで貯蓄性を重視

いくつかの方法を重ねることで、さらに払込保険料総額を抑えることができ、学資保険の返戻率がやや高くなります。

いろいろな商品やプランを試算・比較して、納得の商品、納得のプランを見つけてくださいね!

学資保険契約前にチェックしておきたいポイントは?

加入前に必ずチェックしておきたいポイントは?

いわゆる「元本割れ」になっていませんか?

試算した商品をじっくり見てみましょう。払込保険料の総額と、学資金や満期学資金として受け取れる分の合計額を比較してみましょう。

払込保険料の総額よりも受け取れる総額の方が少ない、いわゆる「元本割れ」の状態になっていないでしょうか。

教育資金を準備するための保険ですので、ちゃんと貯蓄性があるのかも確認しましょう。

入学金等の納入時期に間に合いますか?

17歳満期であれば問題はありませんが、18歳満期の場合、満期学資金の受け取り時期などを確認しましょう。

一般受験であれば、入学金や学費の納入は2~3月になりますが、推薦入試などの場合、早ければ10月頃から入学金や学費の納入を求める大学もあります。心配な場合は、17歳満期にしておくといいでしょう。

契約者はパパとママ、どっち?

学資保険は、万が一契約者が亡くなった時には、以後の保険料の払込が免除されます。払込免除された保険料相当額は、遺産を取り崩す必要がなくなりますから、生計の中心となる大黒柱が契約者になるのが多いようです。

保険料から考えた場合、同じくらいの年齢であれば女性の方が保険料が割安な場合が多いため、ママが契約者になるのも手です(試算して比べましょう)。

その場合、パパに万が一のことがあった時に以降の保険料の払込は免除されませんので、前提としてパパの死亡保障が十分な場合に限ります。

子どもの医療保障は?

子どもの医療保障がつけられるタイプの学資保険もありますが、自治体の医療費助成制度が充実していれば不要な場合もあります。

医療特約を付けるとそのコストがかかる分、貯蓄性は下がってしまいます。中には、払込保険料の累計額に対し、受け取る学資金の総額が下回る場合もあります。子どもの医療保障を付けるかどうかは、そうした点も理解した上で判断しましょう。

子どもの医療保障を付けた方がいいケースを整理すると、次のような場合が挙げられます。
・住んでいる自治体の乳幼児・子どもを対象とした「医療費助成制度」の内容が十分でない
・先天的な病気などのリスクに備え、子どもの医療保障をつけておきたい
・近くに大きな病院がないなど、子どもが入院した時のリスクが高い

子どもの医療保障が必要な場合は、単体の医療保険を検討してみては? 学資保険の満期と関係なく保障が継続されます。

保険料の払い方は?無理はない?

保険料は半年払や年払にすれば、年間払込保険料が少なくなるので、保険料の払方をどうするか検討してみましょう。

ただし!保険料はずっと払い続けることができる金額にしなければ意味がありません。家を買ったり、2人目、3人目の子が生まれたとしても払い続けられるか考えましょう。

 

保険料の払い方は変更可能ですが、そもそも無理のない保険料に設定することが大事ですね。

保障重視と貯蓄性重視、どちらがいい?

同じ学資保険といっても大きく分けて「保障重視」と「貯蓄性重視」の商品があります。その違いや選択の際の基準は何なのか? さっそくみていきましょう。

学資保険には「保障重視」と「貯蓄性重視」がある

そもそも学資保険とは、入学時などに受け取る「祝金」と、満期時に受け取る「満期保険金」とが教育資金のベースになる貯蓄の機能を備えた保険です。将来、子どもの教育資金が負担になる時期に教育資金を準備することができる保険です。

この学資保険、大きく分けると「保障重視」と「貯蓄性重視」の2つの種類があることをご存知でしょうか? 商品を選ぶ際には、まずはそこから整理しましょう。

「保障重視」のメリットと注意点

まず、保障を重視する学資保険について考えてみましょう。

学資保険は一般に、契約者となった親が亡くなったときには以後の保険料の払い込みが免除され、以後の祝い金や満期金が予定通り受け取れる保障がついています。中には例外的についていないものもありますが、多くの商品はついています。

保障を重視する学資保険は、契約者である親が亡くなったときに、以後の保険料の払い込みが免除されるだけでなく、一時金や年金が受け取れるものをいいます。あるいは、子どもが入院したり手術を受けたりしたときの医療保障の特約がついている商品もあります。つまり、貯蓄性以外の保障に重点を置いた学資保険です。

保障がたくさんついているのはよさそうに思いますが、注意点として、その分コストがかかっていることもお忘れなく!

「貯蓄性重視」のメリットと注意点

続いて貯蓄性を重視する学資保険についてですが、文字どおり貯蓄性を重視しています。保障を重視する学資保険と違って、追加的な保障がない代わりに、その分のコストがかからないため、貯蓄性を追求できます。そもそも子どもの学費に備える貯蓄のため、できるだけ有効な手段を選ぶほうが賢い選択ですよね?

貯蓄性重視の商品の注意点としては、商品によって貯蓄性が異なる点です。そもそも本当に貯蓄性を有しているかどうかのチェックも必要ですが、満期まで保険料を払い込み続けるといったいどれくらいプラスになるのか、加入前に必ず電卓を叩いて確かめたいもの。

できれば2、3社の商品をインターネットなどで試算して選びましょう。貯蓄性にこだわるなら、ひと手間を惜しまず、しっかり選択したいものですね!

こんな人はこう選ぼう!

さて、あなたはどちらを選ぶべきでしょうか。その答えは、学資保険に何を求めるかによって違ってきます。

契約者となっている親の保険の保障内容を補いたいという場合は、コストがかかっても保障を重視する学資保険を選ぶ意味はあります。

また、子どもの医療保障をどうしても学資保険でカバーしたい場合は、特約を付けて契約をする選択もあります。その場合は、コストがかかることは覚悟しなければなりません。自治体の医療費助成制度が充実していれば、一定年齢までは医療費が無料の自治体も多く(住んでいる自治体でご確認ください)、医療保障そのものが必要かどうかよく検討する必要もあります。

一方、「最も重要なのは子どもの教育資金の準備」という人は、貯蓄性を重視すべきです。

以上のような点に気をつけながら、自分に合った学資保険を選んでくださいね!