教育費のかけ方を再考する時期?
雑誌の企画でも、実際の有料相談を行っていてもそうですが、最近、お子さんの進路希望に対して資金がまかないきれないと見られる家計が増えています。先日も、家計診断の仕事で、家計簿を拝見しただけで、未来に大きな問題が読み取れました。
目先はどうにか成り立つのですが、未来に潜在的に大きな問題を抱えていて、結局のところ老後にツケが回る可能性が大。
日本人の平均貯蓄額が下がり、貯蓄がない世帯も3割程度あり、会社員の平均年収も下がる傾向が見られます。
その一方で、学歴の希少価値は下がり、不況もありますが、2011年3月の大学卒業生の5人に1人が定職に就けない状況です。教育費のかけ方を本気で再考すべき時期にきているといえそうです。
教育にお金を使うことを「教育投資」などといったりしますが、「投資」よりも「投機」、あるいは単なる「消費」、場合によっては「浪費」になってはいませんか?
もしも、「消費」や「浪費」、あるいは「投機」になっていても、それを自覚し、覚悟の上で行っていれば、問題は小さいのかもしれません。
問題となるのは、無自覚で行っている場合です。教育費を湯水のようにかけることが、成功への道ではない時代だと思います。
最後の出口、つまり就職の段階になって後悔することのないように、あるいは親が定年に近付いたときに、老後資金不足を知ることにならないよう、一度しっかりと家計を見直した方がいいでしょう。
<チェック!わが家の教育費はどれ?>
□投資=リスクは高いが、リターンも期待できる。
□投機=リスクは高いが、うまくすれば高いリターンが得られる可能性も。
□消費=リターンは期待できないが、満足度は高い。
□浪費=リターンは期待できない上、満足度も低い。
豊田眞弓(とよだ まゆみ)プロフィール
FPラウンジ ばっくすてーじ代表
ファイナンシャル・プランナー、住宅金融普及協会住宅ローンアドバイザー、家計力アップトレーナー