在宅医療を保障する医療保険登場
特約で在宅医療も保障
かつては、長期入院を保障する医療保険が人気でした。しかし、近年の入院は短期間で、退院後は通院で治療を継続するのが一般的です。このため、最近の医療保険は、入院限度日数が短めのものが主流で、入院前後の通院に対する保障がある医療保険も増えています。
今後、高齢社会になれば、ますます医療を必要とする人が増え、入院で治療を続けるのは難しくなり、通院治療や在宅医療を受ける人が増えることが予想されます。そんな将来を見越した医療保険がSBI生命から発売されました。
終身医療保険「も。」は、入院、手術、放射線治療の他、特約で、先進医療、退院後の通院、退院後の在宅医療も保障対象となっています。
在宅医療給付金の対象となるのは、月初から月末までに、1回以上の在宅医療を受けた場合。在宅医療給付金月額は、入院給付金日額の6倍ですが、6万円限度となっています。ただし、70歳以上で在宅医療を受けたときは、在宅医療給付金月額の50%の支給となります。
ちなみに、在宅医療とは、通院が困難であると医師が判断し、かつ、医師や看護師等が定期的に患者の自宅等を訪問して、公的医療保険制度を利用して診療や看護等を行うことをいいます。容態の急変したために医師が自宅等を訪れて診療した場合は「往診」の扱いとなり、通院給付金の対象となります。
給付金の支払い限度は、この特約の保険期間を通算して36カ月です。たとえば、在宅医療給付金月額が最高額の6万円であれば、支払われる給付金は216万円が限度となります。
訪問医療の医師がいるかをまず確認しよう
在宅医療給付金を受給するためには、当然のことですが、定期的に訪問診療してくれる医師に受診する必要があります。患者やその家族も信頼でき、定期的に訪問診療してくれる医師が周囲にいればいいのですが、医師を自分で探す必要があり、住んでいる地域によっては、訪問診療をする医師が見つからない場合もあります。そのような場合は、当然ながら、在宅医療給付金は支払われません。
この特約を付けるかどうかは、住んでいる地域で、信頼できる在宅診療をしている医師がいるのかどうかを、まず、調べてみる必要があるでしょう。在宅医療に熱心な医療機関は、在宅医療助成 勇美記念財団にまとめられています。
ファイナンシャル・プランナー
古鉄恵美子