返済方法はどっちがおトク?―元利均等返済vs元金均等返済
住宅ローンの返済方法には、元利均等返済と元金均等返済があります。それぞれの特徴を知って、自分に合った方を選びましょう。
<元利均等返済>
元利均等返済は毎回の返済額を一定にして支払う方法。返済額が変わらないため、返済計画が立てやすいのがメリットで、通常はこのタイプで借りています。
ただし、当初は金利の占める割合が高く、元金はなかなか減りません。そのため、総返済額は多くなってしまいます。繰上返済を行うなら、初期の方が効果的です。
<元金均等返済>
元金均等返済は、借入れの元金部分を毎回同額づつ返済していく方法。ローン残高にかかる金利分が上乗せされるため、当初の返済額は高くなります。
元金が減るにしたがって利息も減ります。元金の減り方が早い分、元利均等返済に比べて支払う利息の合計は少なくて済みます。
「おトク」は元金均等返済とはいえ…
2000万円のローンを金利3.5%、返済期間30年、ボーナス払いナシで組んだ例では、元金均等返済の方が30年間で180万円もおトクになります。
ただし、当初の返済額が大きいため、年収基準をクリアするかどうか、あるいは家計とのバランスがとれるかどうかという問題が残ります。
現在の収入が高いものの、将来は横ばいか下がる可能性が見込まれる職業なら元金均等返済が合理的です。子どもがいるご家庭では、養育や教育にかかる費用が増えることとも整合性が取れます。
とはいえ、繰り返しになりますが、当初の返済がかなり重くなるので、それが可能であることを確認して利用しましょう。
例:2000万円を全期間固定金利3.5%、返済期間30年、
ボーナス払いナシでローンを組んだ場合。元利均等返済
月返済額 8万9808円
返済総額 3233万880円(利息分=1233万880円)元金均等返済
月返済額 1回目 11万3888円
121回目(11年目) 9万4444円
241回目(21年目) 7万4999円
360回目(最終回) 5万5917円
返済総額 3052万9166円(利息分=1052万9166円)
*元利均等返済より180万円もオトク!
豊田眞弓(とよだ まゆみ)プロフィール
FPラウンジ ばっくすてーじ代表
ファイナンシャル・プランナー、住宅金融普及協会住宅ローンアドバイザー、家計力アップトレーナー