わが家の「正味財産」を把握する

あなたは、いま自分の家にどれくらいの「財産」があるか知っていますか? この場合の「財産」とは、単純に銀行預金や金融商品の資産の合計額ではなく、そこから住宅ローンをはじめとするすべての負債(借金)を引いた、「正味財産」のことです。実は、この「正味財産」を知ることこそが、現状での家計の棚卸しとも言えるもの。老後までの資産作りに欠かせない第一歩です。

当方にご相談に来られる方の中には、「家計の状況を教えてください」という質問に、答えられない人がいます。月々何にいくら支出しているのか突き詰めて考えてもわからないのです。まして資産や負債について、大まかでもすぐに答えられる人は意外に少ない、というのが私の実感です。

1000万円の貯金があれば、「うちにはお金がある」と思いがち。でもちょっと待ってください。住宅ローンはその金額以上に残っていませんか? 子どもが独り立ちするまであと何年? 親が入院したり、介護が必要になったら? 自分たちの老後資金は?

……そういった既にほぼ確定している支出を考えると、実はわが家の家計は〝危険水域″、なんていうことになっているかもしれません。

中でも40代半ばから50代は「人生の最終コーナー」に差しかかった世代。これから新たに何かで収入を増やすのが難しくなる半面、教育に介護にと、支出の大きな山が待ち受けています。「貯金はある」とたかをくくっていると、老後は厳しい生活になるかもしれません。

親世代と同じ暮らしはできない!?

いまだに幻影を見ている方がいらっしゃるのですが、いまの現役世代の老後は、自分たちの親世代とはまったく違ったものになります。その最大の理由は、上の世代に比べ、現役世代は公的年金の減額が避けられないため。退職金の大半を住宅ローンや教育ローンの返済に充てても、年金で悠悠自適の暮らしができたというのは、もはや神話に近いのです。

そこで、特にいま40~50代の方々に提案したいのが、ご家庭の「正味財産」を知るために「資産・負債チェック表」を作成すること。表を見てください。項目は、少し調べればわかるものばかりで、計算も簡単です。これであなたの家庭の「正味財産」を知ることができます。

この「正味財産」がプラスならば、家計には本当の意味での資産が形成されていることになりますし、マイナスだったら、見かけの金融資産がいくらあろうとも、「債務超過」になるわけです。

ちょっとドキドキものかもしれません。予想以上に住宅ローンが残っていることに気づいたり、マンションの評価額に愕然としたり。でも、家計の実情を知ることは、今後の、特に老後の生活設計を立てるうえで、大きな意味を持ちます。問題点が明らかになれば、それへの対処も可能になるわけですから。

 

バランスシート(記入例)

<資産><負債>
不動産(売却時の価格)2300万円住宅ローン2200万円
金融資産①安定性資金800万円マイカーローン80万円
金融資産②収益性資金100万円その他ローン
保険キャッシュバリュー約50万円
マイカー約180万円
資産合計①3430万円負債合計②  2280万円
<正味財産>
③(①-②)
+1150万円
合計④(②+③)3430万円

豊田眞弓(とよだ まゆみ)プロフィール

FPラウンジ ばっくすてーじ代表
ファイナンシャル・プランナー、住宅金融普及協会住宅ローンアドバイザー、家計力アップトレーナー

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