給料袋を持ち帰り、妻に手渡していた時代は、たとえ袋が薄かろうとも、夫の存在感や威厳が保たれていました。妻も感謝して受け取り、その姿を見た子も父親を尊敬するとともに、労働とお金との関係を直感的に理解していたはず。

ところが今や、給料も通帳上の数字と化し、夫をすり抜けて当然のように「家族のお金」となり、夫はそこからもらう小遣いもぎりぎりまで削られています。それでも、「妻子が幸せなら自分も幸せ」とうそぶく夫心(ですよね?)。

明治安田生命の2013年の調査では、夫の小遣い額は3万5347円でしたが、一般的に小遣いは、会社員なら手取り月収の8~10%を夫と妻で分けるというのが理想とされています。




「理想」というのは、「生かさず殺さず働く意欲も失わないライン」を言っているわけではありません。入ってきたお金から貯蓄して未来に備える家計にするための配分を考えたときに、小遣いに回せる割合のことです。

小遣い増額を交渉するなら、家計を分析して削れる無駄をつきとめる必要があります。ただし、無責任に「これを削って」と言うのは夫婦喧嘩のモト。

「子供に算数を教えるから塾を1科目減らしてその半分を小遣いに」などと、実効性ある方法を提示しなければ妻も納得しません。削れる無駄を見つけるためにも、家計管理に首を突っ込むことをお勧めします。

余談ですが、夫の威厳を取り戻すのは案外難しくないかもしれません。夫がお金を握り、妻から受けた家計の報告をチェックして、必要な生活費分を手渡しする形に変えればいいのです。家計に無駄がなければ、小遣いを残して妻に全額渡すことになりますが、それでも気持ち的に違いますよね。

豊田眞弓(とよだ まゆみ)プロフィール

FPラウンジ ばっくすてーじ代表
ファイナンシャル・プランナー、住宅金融普及協会住宅ローンアドバイザー、家計力アップトレーナー

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