これから住宅を買おうと考えている人にとって、住宅ローンを幅広く選択できるようにするためには、クリアしておくべきポイントがいくつかあります。

頭金はやはり1~2割を用意しよう

民間のローンの中には頭金なしで借りられるものもありますが、安心感の高い長期固定金利で借りようとした時には、どうしても返済額が大きくなってしまいます。住宅ローンの選択肢を広げるためにも、頭金はやはり1~2割を用意しましょう。

ちなみに、住宅購入に際しては、頭金以外にも諸費用がかかる(新築物件は物件価額の3~5%程度、中古物件は物件価額の5~7%程度)ほか、購入後も手元に生活予備費(生活費の3~6ヵ月程度)を常時持っていないといけないため、貯蓄目標≠頭金であることにも注意しましょう。

他に借入があるときは返してしまう

金融機関は収入に対する年間返済額の上限(「返済負担率」)を設定していて、それをローン貸し出し額の判定の1つの材料にしています。民間の金融機関の場合は、独自の基準金利に基づいて計算した返済負担率の上限が25~35%など(収入や金融機関による)と設定されています。

ただし、マイカーローンや教育ローンをはじめ他に借入がある場合は、この分も含めて計算することになるため、住宅ローンの借入額に影響が出ます。他の借入はできるだけ返済しておいた方が、住宅ローン借入の制限にならずに済みます。

購入前の転職は避ける

融資条件として、会社員の勤続年数を「3年以上」としている金融機関が少なくありません。中には「最低2年以上」であったり「問わない(他の条件による)」という金融機関もありますが、非常に限られます。住宅ローンの選択の幅を広げたいのであれば、住宅を購入する前の転職は避けた方がいいでしょう。

特に、会社員を辞めて派遣社員となった場合は、利用できる金融機関がさらに限られるので、注意しましょう。フラット35は安定収入があれば利用できます。

年収にも注意

住宅ローンを借りる際には、「年収」から借入額が決まります。会社員なら税込年収、自営業なら所得金額ですが、金融機関によって「400万円以上」「300万円以上」などと設定されています。特に自営業の方の場合、これを原則3年間超えている必要があります。

そうでなくても借りられる場合はありますが、有利なローンを借りたいのであればできるだけ条件を近づけたいもの。自営業の方は確定申告書の内容も確認してみましょう。

また、会社員でも、営業職で歩合いなどのウエイトが高い方の場合は、年収が割引かれて見られることもあります。借りられる金額を誤らないことが大事です。

健康でいること

住宅ローンを借りる際、民間金融機関ではほとんどが団体信用生命への加入を条件としています。そのため、健康でいることが住宅ローンを借りるための要素といえます。フラット35など一部、団信加入を任意にしているローンもありますが、団信なしでローンを借りる場合は、万一の時に住宅ローンも相殺できる程度の生命保険に加入しているか、あるいは、遺族が返済を続ける覚悟が必要ですね。

物件の選択も注意する

建築基準法等の法規に触れるような一戸建て、専有面積が狭いワンルームマンション、木造の連棟式建物(タウンハウス)などは担保価値が低く評価されがちで、民間金融機関での借入は一般的に難しくなっています。適合証明が取れない物件では、フラット35は利用できません。物件の選択も、借りられるローンに影響を与える可能性があることも頭に入れておきましょう。

 

豊田眞弓(とよだ まゆみ)プロフィール

FPラウンジ ばっくすてーじ代表
ファイナンシャル・プランナー、住宅金融普及協会住宅ローンアドバイザー、家計力アップトレーナー

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