過ぎたる節約は及ばざるがごとし

将来の余裕を生み出すため、あるいは、収入が減って家計が厳しくなったからと、とことん節約をがんばる方がいます。節約はもちろん大事です。無駄があるなら大いに省きたいものです。

でも、ときどき、行き過ぎた節約では?と思う家計に出くわすこともあります。家族3人で「食費が月1万5000円」などと驚きの家計簿があるのです。

家庭菜園をしているとか、実家からお米や野菜をもらっている、といった理由がある人ならまだしも、そうではなく実質的な食費だという家庭の場合には、個人的に少々心配になります。食費を抑えていることは立派ですが、そこまで抑えているということは、安く手に入る食材に偏っているということで、場合によっては栄養のバランスが崩れている可能性もあるからです。




たとえば野菜は、お値段の安めなもやしや大根、白菜など白いものばかりで、緑黄色の野菜を摂らないと、バランスよく必要な栄養が摂れません。また、インスタント食品ばかりを食べていると、体にはよくありません。

節約も、がんばった分で習い事をする、レジャーに使う、といった目的があればがんばる理由が見えるのですが、節約そのものが目的になっていると、あれもだめ、これもだめと、どんどん考え方や生き方が消極的になっていきます。

また、節約のストレスが暴発し、無駄な買い物をしてしまうとこともよくある話。そうなると、せっかくの頑張りが水の泡。栄養が偏って心身のバランスを崩したのでは元も子もありません。

節約も大事ですが、生活を楽しんで満足することも大事。行き過ぎた節約は、心身の健康のためにも避けたいものです。どうしても家計が成り立たないときは、節約もするけれど、それと並行して世帯収入をアップする方法を考えていくことが大事ですね。

豊田眞弓(とよだ まゆみ)プロフィール

FPラウンジ ばっくすてーじ代表
ファイナンシャル・プランナー、住宅金融普及協会住宅ローンアドバイザー、家計力アップトレーナー

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