こども保険(学資保険)の比較

2013年4月の標準予定利率の見直しで、こども保険(学資保険)はどうなったのでしょうか。保険料値上げ後のこども保険(学資保険)を見てみましょう。

●こども保険(学資保険)とは

子どもの教育資金を準備する貯蓄型の商品が「こども保険」です。「こども保険」が正式な保険種類ですが、「学資保険」という呼称の方も多く使われるため、こども保険(学資保険)と表記しています。

こども保険(学資保険)は、入学時などに受け取る祝金と満期時に受け取る満期保険金が教育資金のベースになるように設計された商品です。祝金は受け取らずに据え置く(保険会社に預けておく)ことも可能です。

契約者である親が万一、亡くなった場合は、その後の保険料が免除され、祝金や満期保険金は予定通り受け取れるのも特徴です。つまり、親と子の死亡保障が付いた連生保険でもあるのが特徴の1つです。ただし、貯蓄性を少しでも上げようと、最近の商品の一部には親の死亡保障が外された商品もあります。ちなみに、子ども自身の死亡保障は、通常は既払込保険料程度となっています。




●予定利率の引き下げでどうなった?

保険料は、見込まれる運用益も加味して算定されますが、そのために加入時点で満期までの運用利率を確定します。それが「予定利率」と呼ばれるもので、「予定」とあるものの、本来は「保証利率」と表現した方が合っているものです。保険料の算定では割引率のような意味を持ちます。

4月に、保険会社は貯蓄型保険の予定利率を引き下げましたが、こども保険(学資保険)も例外ではありません。保険料はのきなみアップし、満期時の返戻率(満期時返戻率=祝金・満期保険金の合計受取額÷保険料お払込累計額×100)が下がった商品がほとんどです。4月2日以降の保険料で比較したものが下表です。

表では、18歳満期の商品グループと、18歳満期以外の商品グループに分けてあります。
保険料は、契約者=30歳父親、子供=0歳男児、という条件で出したものです。
祝金が標準で設定されている商品以外は、満期保険金だけのプランを選んでいます。比較をするために、祝金(学資金)と満期金の累計を200万~250万円としました。
満期返戻率では富国生命やソニー生命の商品が気になります。

「教育資金を貯める」のが目的なので、貯蓄性の高さは比較の大きなポイントですが、保険料の払込時期を何歳までにするかとか、祝い金や満期保険金をどのように受け取るのが合っているか等によっても、選ぶ商品は異なります。
前回も書いたように、教育資金は15歳までにベースを作るべきだと思いますので、15歳払込満了タイプも注目しています。受け取る回数が少ないほど返戻率が高くなるので、頻繁に出ないタイプの方が貯蓄性は上がる傾向があります。

ただし、予定利率が引き下げられた今、一方ではアベノミクスで市中金利が上がろうとしているため、長期固定金利商品ともいえるこども保険(学資保険)で教育資金を準備することにこだわりすぎないことも大事だと思います。

貯蓄型こども保険満期18歳

貯蓄型こども保険満期18歳以外

2013年5月31日現在
(保険選びネット掲載記事を一部変更)

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豊田眞弓(とよだ まゆみ)プロフィール

FPラウンジ ばっくすてーじ代表
ファイナンシャル・プランナー、住宅金融普及協会住宅ローンアドバイザー、家計力アップトレーナー

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