おひとり様が重度でも在宅でと考えるなら、介護保険以外の自分で買う介護サービスの資金を用意しておく必要があります。介護保険の1割負担分のほか、自分でサービスを上乗せして買う分が月20万円だったとして、5年寝たきりになっただけでも1200万円もかかる計算です。
施設を利用する場合は、前述のサービス付き高齢者向け住宅で介護サービスも行っているところや、ケア付き有料老人ホームのほか、ケアハウス(介護型)、認知症専門のグループホーム、特別養護老人ホームなどがあります。ほかに自宅への復帰を目指す間3~6カ月ほど入所できる「老人保健施設」、急性期に治療を終えた後、長期の療養が必要な人のための医療施設「介護療養型病床」(2018年3月末廃止予定)もあります。
これらの施設のうち、ケアハウス、老人保健施設、介護療養病床、特別養護老人ホームは費用が安くて済むものの、とにかく入居待ちとなっています。また、重度でも入っていられるのは、主に特別養護老人ホームとケア付き有料老人ホーム(契約内容によるので確認を)と言えます。
おひとり様はそもそも近くにどんな施設があるのかなど、現役のころから情報をチェックしておく必要があります。定年後すぐに健康型の施設に入る予定なら、50代のころから施設を見て回り体験入所をするなどで候補を絞っておくことも大事です。
関連コラム
豊田眞弓(とよだ まゆみ)プロフィール
FPラウンジ ばっくすてーじ代表
ファイナンシャル・プランナー、住宅金融普及協会住宅ローンアドバイザー、家計力アップトレーナー