2012年6月に流れた、「子どもの貧困率、日本はワースト9位」というニュースに驚いた人は多いことでしょう。こんなに豊かなのに、貧困? しかもワースト9位って一体どういうこと?と目が点になりました。この報告は、国連児童基金(ユニセフ)のまとめたもので、貧困率14.9%で、先進国35カ国中、堂々の27位だそうです。
ちなみに、貧困率ワースト1位はルーマニア(25.5%)、2位は米国(23.1%)で、貧困率が最も低い国はアイスランド(4.7%)で、2位がフィンランド(5.3%)など。福祉が手厚い北欧で低い傾向が見られます。
「貧困率」という言葉がわかりにくいのだと思います。これは「相対的な」割合のことで、全国民の年間の可処分所得の中央値(=少ない順に並べてちょうどど真ん中にあたる金額)の1/2の水準に満たない家庭で育てられている子どもの割合を指します。その国でフツーの暮らしを送っている世帯の半分以下しか可処分所得がない家庭で育てられている子どもたちを指しているわけです。
つまり、「貧困層」といっても、国によってその姿は異なるわけです。この層に該当する世帯の子は、日本であれば、お金がないために修学旅行に行けなかったり、経済的理由で希望の進学ができないなど、他の子たちと同じことができない家庭もあるでしょう。かといって、決して食べるのに困るというわけではありません。
何より問題は、ひとり親世帯の貧困です。半数強が貧困層に該当しています。ひとり親でも子育てしやすい社会は、二人親にとっても当然子育てしやすいはずです。日本は貧富の差が広がる傾向にあり、子どもたちのためにも修正が望まれます。
豊田眞弓(とよだ まゆみ)プロフィール
FPラウンジ ばっくすてーじ代表
ファイナンシャル・プランナー、住宅金融普及協会住宅ローンアドバイザー、家計力アップトレーナー