これまで3000以上の家計を拝見してきて、最近つくづく感じるのですが――
「お金の使い方が上手な人は貯めるのも上手」
なのですよね。
一見すると矛盾するのですが、自分を満足させるお金の使い方ができると、無駄なものにお金を使わなくなったり、「使う」ために計画的にお金を貯めるようになるためではないかと仮説をたてて、検証(観察?)しています。
同年代の方と1ケタ違う貯蓄額のAさんは、買うのは「ちょっと良い物」で、車も高級車に乗っています。でも、衝動買いはほとんどしないし、安物も買いません。普段の生活や食事は質素ですが、地方のおいしい物を取り寄せたりして、メリハリのある豊かな暮らしを送っています。
おどろいたのは、「ウィンドゥショッピングが嫌い」なのだそうです。買い物をするときには、「○○を買うから○○へ行く」という行動のみ。よい物を長く大事に使うからこそ、無駄な支出が抑えられ、お金も貯まるのでしょう。
反対に、お金の使い方最ももったいないのは、世帯収入が高いのにもかかわらず、何に使ったかわからないまま消費してしまって、お金も残らず、満足度も低い。そんなお金の使い方です。
貯められない家計を拝見していると、残念ながら、このパターンの方が少なくありません。消費によって満足を得ることが少ないのではないかと見ています。
「貯める」ことの前に、「使い方」についても考えてみるといいかもしれません。「使って満足する」ことってとても大事なことだと思います。
そういえば、子ども向け講座では必ず話しています。貯めるとか増やすとかだけが正しいわけではないですからね!
豊田眞弓(とよだ まゆみ)プロフィール
FPラウンジ ばっくすてーじ代表
ファイナンシャル・プランナー、住宅金融普及協会住宅ローンアドバイザー、家計力アップトレーナー