生命保険は、1度入ったらおしまいというわけではありません。入ってからも、時々見直す必要があります。今回は、保険見直しのタイミングについて、考えてみましょう。
保障額に影響を与えるライフイベントがあったときは見直しを
生命保険の見直しのタイミングは、主に必要保障額が大きく変化するようなライフイベントがあったときが挙げられます。では、「必要保障額が変化するライフイベント」とはどんなものでしょうか?次に整理をしていきます。
<必要保障額が変化するライフイベントの例>
社会人になったとき
それまで無保険だった人も少なくないかもしれません。自分で保険に入り、リスクに備えましょう。死亡保障は、葬儀費用を中心に考え、さほど大きくする必要はありません。
結婚したとき
結婚したときは保険の見直しが必要です。特に、女性は妊娠後は医療保険に入りにくくなるので、婚約をしたら医療保険に加入しましょう。また、それまで入っていた保険がある場合は、保険金受取人を親から配偶者に変更することを忘れずに!
子どもが産まれたとき
子どもが産まれたら、パパの死亡保障を1000万円ほど厚めにします。タイミングとしては、生まれてからではなく、妻の妊娠がわかったときの方がいいでしょう。医療保障も必要があれば厚めに変更したいものです。
住宅ローンを借りてマイホームを購入したとき
住宅ローンを借りると、多くは団体信用生命に加入するため、万一のことが起きた時にはローンが相殺されることになっています。そのため、住宅ローンの支払いがなくなるため、その分、死亡保障を減らすことができます。
ただし、団体信用生命に任意加入のローンもあり、もしも加入せずに住宅ローンを借りた場合には、万一のことがあっても住宅ローンを返し続けられるよう、むしろ保障額を大きくする必要があります。
住宅ローンを背負っていることで、入院した時の経済的リスクも高まるので、入院保障を厚めにしておくといいでしょう。
離婚したとき
離婚により、女性が子どもの親権を持つ場合は、女性でも死亡保障を厚くする必要があります。一方、男性で子どもを引き取らなければ死亡保障を減らすことができますが、子どもに対する養育の義務はあるので、子どもを受取人にして死亡保障をつけておきたいもの。
親を扶養・介護することになった
体が弱ってきた、あるいは要介護状態になったなどで親を扶養する場合は、親のためにも死亡保障を上乗せしておく必要があります。それは、夫でも妻でも同じです。ただし、親がそれなりの資産を持っていたり、代わって扶養してくれるきょうだいがほかにいるのであれば、上乗せはしなくてもいいかもしれません。
なお、配偶者と親のために死亡保険に入る場合、1本の保険で受取人を連名にする方法と、受取人ごとに2本に分けて入る方法があります。
子供が社会人になった
子供が社会人になって扶養を外れると、死亡保障額を削ることができます。
相続対策が必要になった(あるいは必要だったことに気づいた)
相続が発生すれば税金を支払う可能性があって、しかもその資金を準備しておく必要があることを自覚した場合。相続対策として保障を厚くしておく必要があります。
見直しのタイミングとしては、以上のようなライフイベントなどが考えられます。思い当たるものがある場合には、早めに見直しをしましょう。
定期的に見直す(点検する)のも一法
ライフイベントが特になくても保険の見直し(点検)は有効です。
「3年に1回見直す」
「5年に1回見直す」
更新タイプの保険であれば「更新の時に見直す」
そんなルールを決めておいて実行する方法もあります。時間の経過によっても必要な死亡保障額は変わるので、その調整のタイミングを決めておくのです。
また、保険料が家計の負担になって、根本的に保険を見直したい場合は、そう感じたときが見直しのタイミングともいえますね。
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豊田眞弓(とよだ まゆみ)プロフィール
FPラウンジ ばっくすてーじ代表
ファイナンシャル・プランナー、住宅金融普及協会住宅ローンアドバイザー、家計力アップトレーナー